鹿児島でアレクサンダー・テクニークを学ぶ

2020年からアレクサンダー・テクニークを教えています

聴かせるのか 見せるのか…それとも魅せるのか

ブルッフ: スコットランド幻想曲

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ハイフェッツの 艶やかで雄弁な音楽



じつはこの魅力ある音楽は ♭系の調性で
きらびやかさよりも
陰影の深さや甘さが際立つようになっている
 
そのために開放弦とのレゾナンスが少なく
奏者には より厳しいテクニックが求められながら
その苦労の割には 実入りはあまり多くない
ハイフェッツですら たまに音程が揺れている)
  
それでも
ハイフェッツヴィルトゥオーゾ然とした響きは
彼の上下に伸び 左右に広がった
ぶれない安定した確かな背中から 弾き出されている

(2017年1月31日 ハイフェッツの動画が削除されたので音源のみアップ)
 

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聴き比べればわかるが
(音楽性よりも 全体の印象の違いとして)
一昔前の 技術が劣る録音のほうが
豊かで魅力ある音楽に聴こえはしないだろうか?

近年 音楽界もヴィジュアルが重視されているためか
楽曲のエモーショナルな側面を
カラダの動きに焦点をあて 表そうとする傾向が
ヴァイオリンに限らず よく見られる
 
たしかに そのほうが より聴衆に受け取られやすく
また奏者にも パフォーマンスに達成感が生じる

だがそれは 視覚を通しての情報を
音楽に うつしこんでいるにすぎない
 
聴かせるのか 見せるのか…
残念ながら その両方を備えた
「魅せる音楽」に 出会いにくいのが
情報が豊かになったためなのだとしたら
なんとも皮肉な話しである